Marvell Technology(MRVL)が2027年度第2四半期(FY2027 Q2)決算を発表しました。
結論から言うと、今回の決算は事業内容だけを見ればかなり強いです。
売上高は過去最高。データセンター売上は前年比46%増となり、AI関連の受注も引き続き非常に強い状態です。
さらに会社側はFY2027・FY2028の売上見通しを再び引き上げました。
ところが、決算発表後のMRVL株は時間外で6%以上下落しました。
なぜ好決算なのに売られたのか。
今回はQ2決算の数字だけでなく、AIデータセンター、カスタムシリコン、Googleとの大型契約、Q3以降の成長、そして株価下落の理由までまとめます。
Marvell(MRVL)Q2決算の結果
まず今回の主要数字です。
| 項目 | Q2実績 | ポイント |
|---|---|---|
| 売上高 | 27.39億ドル | 前年比+37%・過去最高 |
| 非GAAP EPS | 0.94ドル | 市場予想を上回る |
| データセンター売上 | 21.72億ドル | 前年比+46% |
| 非GAAP粗利益率 | 58.9% | 高水準を維持 |
売上高27.39億ドルは、会社が前回示していたガイダンス中央値27億ドルを3,900万ドル上回りました。
市場予想も上回っており、数字だけを見ればしっかりとした決算です。
データセンター売上は前年比46%増
今回もっとも重要なのがデータセンター事業です。
データセンター売上は21.72億ドルとなり、前年比46%増まで成長しました。
単純計算すると、データセンターだけでMarvell全体の売上の約8割を占める規模です。
つまり現在のMarvellは、かなり明確にAI・データセンター企業へ変化していると言えます。
AIクラスターが大型化すると、GPUやAIアクセラレーターだけでなく、サーバー同士を高速で接続するネットワークや光通信の重要性も高まります。
Marvellはこの「AIチップ同士をつなぐ領域」を大きな成長市場として狙っています。
AI関連受注は「極めて強い」
今回の決算で個人的に特に注目したのが、会社側のAI需要に対する表現です。
MarvellはAI関連の受注について、「exceptionally robust(極めて強い)」と説明しました。
さらにCEOのMatt Murphy氏は、FY2027の残り期間を通して売上成長がさらに加速するとしています。
現在の強さは特定の製品だけではなく、データセンターポートフォリオ全体に広がっています。
- カスタムAIシリコン
- 高速Ethernet
- 光通信
- データセンター接続
- メモリー周辺インフラ
AI投資の恩恵がGPUメーカーだけでなく、ネットワークやカスタム半導体へ広がっていることが分かります。
カスタムXPU・ASICが次の成長エンジン
今後のMarvellを見るうえで最重要なのがカスタムシリコンです。
GoogleやAmazonなどの巨大テクノロジー企業は、NVIDIA製GPUだけに依存するのではなく、自社の用途に最適化したAIチップの開発を進めています。
Marvellはこうした企業向けにカスタム半導体を設計する重要なプレイヤーです。
会社側は今回、FY2027後半からCustom事業が大きく加速するとの見通しを示しました。
さらに来年度にはカスタムチップ売上が2倍以上になるとの見方も示されています。
ここが今後のMRVL成長ストーリーの中心になりそうです。
1.6T光通信・ネットワークも重要
もう一つ重要なのがConnectivityです。
AIクラスターでは数千〜数万規模のAIアクセラレーターを高速で接続する必要があります。
そのため計算性能が上がるほど、ネットワーク側にもより高い性能が要求されます。
Marvellは800G・1.6T光通信、高速Ethernet、光インターコネクトなどAIデータセンター向け接続技術を展開しています。
会社側も今回、Connectivityの強い需要がデータセンター事業を支えていると説明しました。
AI投資を見るときに「GPUが何個売れるか」だけでなく、そのGPUをどう接続するかを見る必要がある理由です。
Q3ガイダンスも強い
次のFY2027 Q3について、Marvellは以下の見通しを示しました。
| 項目 | Q3会社予想 |
|---|---|
| 売上高 | 31.5億ドル ±5% |
| 非GAAP EPS | 1.10ドル ±0.05ドル |
| 非GAAP粗利益率 | 57.5〜58.5% |
Q2売上27.39億ドルから、Q3中央値は31.5億ドル。
単純比較でも約15%の四半期成長を想定していることになります。
以前から「本当に大きな成長加速を見るならQ2よりQ3以降ではないか」と見ていましたが、今回のガイダンスを見る限り、その方向性はかなり近いと考えています。
FY2027・FY2028見通しを再び引き上げ
Marvellは中長期の売上見通しも引き上げました。
| 年度 | 従来見通し | 最新見通し |
|---|---|---|
| FY2027 | 約115億ドル | 約120億ドル |
| FY2028 | 約165億ドル | 約180億ドル |
特にFY2028の180億ドルという数字は大きいです。
現在の27億ドル台の四半期売上から、さらに大きく成長する前提になっています。
AIデータセンター、Connectivity、カスタムシリコンの成長を会社側がかなり強く見ていることが分かります。
Googleとの大型契約はどうなった?
今回の決算で市場がもっとも注目していたポイントの一つがGoogleとの契約です。
MarvellとGoogleは、TPUエコシステムに関連する幅広いカスタム半導体で協業を拡大しています。
- AI推論アクセラレーター
- ストレージコントローラー
- ネットワークインターフェースコントローラー
- メモリーインターフェースコントローラー
- Near-memory Compute
GoogleにはMarvell株を最大約5,897万株購入できるワラントも付与されています。
その大部分は、Google側によるMarvellのカスタム製品購入額に応じて権利確定する仕組みです。
そのため市場では「Google契約によってFY2028の売上予想がさらに大きく跳ねるのではないか」という期待が高まっていました。
好決算なのにMRVL株が急落した理由
ところが決算後、MRVL株は時間外取引で6%以上下落しました。
決算が悪かったからではありません。
むしろ、市場の期待値が高すぎたことが大きいと考えられます。
会社側によると、FY2028の売上見通しにはGoogle関連の売上がすでに一部含まれています。
一方、新しく始まる大型プログラムがより大きく売上へ寄与するのはFY2029になる見込みです。
つまり市場が期待していた、
「Google大型契約 → FY2028から一気に売上爆発」
という展開ではなかったわけです。
これが、好決算・ガイダンス引き上げにもかかわらず株価が売られた大きな理由と考えられます。
「バケモン決算」はまだ先なのか?
個人的には、今回のQ2だけを見て「期待外れ」と判断する内容ではないと思っています。
むしろ重要なのは、
- Q2データセンター売上 +46%
- AI関連受注が極めて強い
- Q3売上31.5億ドル予想
- FY27後半からCustom事業加速
- 来年度Custom売上2倍超を想定
- Google大型案件はFY2029でさらに寄与
という成長の順番です。
今回Q2で全部が一気に爆発するというより、Q3以降に成長率がさらに加速していくシナリオが見えてきました。
「バケモン決算」という表現を使うなら、Q2がゴールではなく、その入口だった可能性があります。
Micron(MU)への影響
判定:🟢プラス
Marvellのデータセンター売上が前年比46%増となり、AI関連受注も強いことは、AIインフラ投資そのものが失速していない裏付けになります。
カスタムAIチップが増えたとしても、大規模AI計算には高速メモリーが必要です。
そのためHBMや高性能DRAMを展開するMicronにとっても、AI計算量そのものの拡大はプラス材料と考えています。
Qualcomm(QCOM)への影響
判定:🟡〜🟢
QualcommもAIデータセンター市場への参入を進めています。
Marvellの今回の決算は、AI推論・カスタムAIチップ市場そのものが拡大している裏付けという意味ではQCOMにもプラスです。
一方でMarvellやBroadcomなどがカスタムシリコン領域で急成長しているため、競争水準が高いことも分かります。
QCOMについては「AIデータセンター市場が伸びるか」だけでなく、実際にどれだけ大型顧客を獲得できるかを確認したいところです。
今回の決算を受けてMRVLをどう見る?
今回の決算を個人的に整理すると、以下のようになります。
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| Q2業績 | 🟢 強い |
| データセンター | 🟢 かなり強い |
| AI受注 | 🟢 かなり強い |
| カスタムシリコン | 🟢 成長加速 |
| Q3ガイダンス | 🟢 強い |
| FY27・FY28見通し | 🟢 上方修正 |
| Google案件 | 🟢 長期 / 🟡 短期 |
| 株価反応 | 🔴 期待値調整 |
事業そのものが崩れた決算には見えません。
むしろAIデータセンター、Connectivity、カスタムシリコンの成長ストーリーは今回の数字でさらに確認できました。
ただし株価はAI成長をかなり先まで織り込んでいるため、今後も「良い決算を出せば上がる」とは限りません。
業績だけでなく、市場がどこまで期待しているのかを見ることが重要になりそうです。
次の重要イベントは10月6日
次に注目したいのが、2026年10月6日に予定されているMarvellのInvestor Dayです。
会社側はここでAIインフラの長期戦略や成長ドライバーについて詳しく説明する予定です。
特に確認したいのは、Googleを含むカスタムAI案件、FY2029以降のCustom売上、Connectivity、AIメモリーインフラの成長見通しです。
まとめ
MarvellのFY2027 Q2決算は、売上27.39億ドルで過去最高となり、データセンター売上も前年比46%増まで成長しました。
AI関連受注は極めて強く、Q3売上見通しは31.5億ドル。さらにFY2027・FY2028売上見通しも引き上げています。
一方、Google案件への期待が非常に高かったため、FY2028への追加インパクトが市場の期待ほど大きくなかったことで株価は時間外で下落しました。
今回の決算を見て、MRVLのAI成長ストーリーが崩れたとは考えていません。
むしろ注目したいのはQ3以降のCustom事業加速と、FY2029に向けたGoogle案件の本格寄与です。
次の大きな答え合わせは10月6日のInvestor Dayになりそうです。
※本記事は2026年8月28日時点の公開情報をもとに作成しています。投資判断はご自身の責任でお願いします。

数字見たら普通に強い。
データセンター+46%、Q3は31.5億ドル、FY27・FY28も上方修正。
それでも売られたのは、Google案件への期待がそれ以上やったってことやと思う。
前から見てた通り、Q2で全部出るというよりQ3以降が本番っぽい。個人的には株価下落より、Customが実際にどこまで伸びるかを見たい。



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